脳はそれぞれの場所で働きが異なっています。これを「脳番地」と呼び、働きによって8系統に分けることができます。各系統を鍛えることができる、簡単トレーニングを紹介します。
8系統の脳番地はバランスよく鍛える
脳番地は詳細には120程に分けることができますが、働きによって大きく8系統に分けることができます。1系統の脳番地のみ鍛えていても、仕事や学業など実戦で生かすことはできません。8系統をバランスよく、そして自分が不得意な脳番地を重点的に鍛えましょう。
8系統の脳番地
- 思考系
- 感情系
- 伝達系
- 理解系
- 運動系
- 聴覚系
- 視覚系
- 記憶系
思考系
[役割]
思考力・想像力・決断力をつかさどります。この脳番地は、脳の司令塔となる重要な部分です。物事を深くまで考えられない人、優柔不断な人は、思考系の脳番地が弱い傾向があります。
[簡単トレーニング]
キーワードは「制約」です。日頃の行動に何でもよいので「制約」をつけましょう。
- 仕事、家事、勉強を○時○分までに終わらせる(時間の制約)
- 日記、レポート、ブログ記事を○字までにまとめる(字数の制約)
- 読んだ本の参考ポイントを5つ箇条書きにしてみる(内容の制約)
感情系
[役割]
喜怒哀楽の感情をつかさどります。感情の制御ができず、怒ってばかりの短気の人や、落ち込んでばかりで立ち直りが遅い人は、この番地が弱い傾向があります。あと、興味深いことに、この系統が発達している人は、他人の感情を読み取る力もあります。
[簡単トレーニング]
感情に支配されないように、脳で感情をコントロールすることを意識することが重要です。
- どんな事にも怒らず、人に優しくすることを心がける (感情の制御)
- ペットや植物とふれあう、話しかける (気持ちのコントロール)
- 新しい髪形や服装に挑戦する (自分の感情に揺さぶりをかける)
伝達系
[役割]
相手に何かを「伝える」能力をつかさどります。伝達系が劣っている人は、話下手な傾向があります。プレゼンや説明が分かりにくいと毎回怒られている人は、この系統が弱いかもしれないので注意してください。
[簡単トレーニング]
キーワードは「言葉」です。伝達系はいかに、適切な「言葉」を選択し、相手に伝えるかがポイントになります。
- 相手の口癖、キーワードを意識して会話する
- 相手に相談、質問するときは、3つの選択肢を準備する(選択肢の準備は伝達系発達に有効)
- カフェや料理屋の店員におすすめのメニューを聞いてみる(知らない人との会話は伝達系フル回転状態)
理解系
[役割]
目や耳から入った情報を理解するときに働く脳番地です。人の会話が理解できない、本を読んでも内容が理解できないという人は、理解系が衰えている可能性があります。「空気を読めない」と言われる人は、積極的にこの系統を鍛えましょう。
[簡単トレーニング]
相手の心理を理解しようとすることが、この系統強化のポイントになります。
- 朝出かける前の5分でカバンの中を整理する(空間や情報の理解力強化)
- 尊敬する人物を観察し、行動や発言を真似する
- 普段読まないジャンルの本を読む(新たな発見は理解系向上の大きな糧)
運動系
[役割]
その名のとおり、体を動かす運動をつかさどっています。ただ、この運動系は「思考系」や「感情系」など、ほかの脳番地に脳神経が多くつながっており、互いに影響しあっています。スポーツをやる人が、判断力や精神状態に優れているのはこのためです。
[簡単トレーニング]
そのままですが、運動をするのが一番です。特に2つの動きを同時に行うなど、複雑な運動が効果的です。
- エスカレーターを使わず、階段をできるだけ使う(一段飛ばしが効果的)
- 掃除をしながら、歌を歌う(2つのアクションを同時に行う)
- 利き手とは反対の手を積極的に使う(利き手とは逆の手で、歯磨きをするなど)
聴覚系
[役割]
聴覚系は音や言葉など、耳に入る情報を聞くときに働く脳番地です。聴覚系が衰えている人は聴力は問題ないのに、相手の話が聞き取れず何度も聞き返してしまったり、騒がしい場所で相手の声を取捨選択して聞き取ることができなくなってしまいます。
[簡単トレーニング]
- 自然の音に意識して耳を傾けてみる (鳥のさえずり、セミの声、波の音など)
- テレビやラジオを聞いて、流れた話を即座に声に出して繰り返す(シャドーイングというもので、英語の聞き取り能力を速く向上させるための、英会話勉強のテクニックとしても知られています。)
- ラジオで流れた情報を、速記でメモをとる(聴こえた情報を瞬時に理解して、重要点だけ取捨選択するトレーニングです)
視覚系
[役割]
読んで字のごとく、「見る」ことに関係する脳番地です。視力は悪くないのに、近くにあるテレビのリモコンを見失う人や、人混みでよく人にぶつかってしまう人は、この系統が弱いかもしれません。
[簡単トレーニング]
見るだけではなく、見て、理解して、判断するという、3段階を意識してください。
- 電車やバスに乗っているときは、特定の色や数字を見つけるトレーニングをする(赤い看板を数える、つり広告の中から数字の1を探すなど)
- 鏡で自分を観察し、今のありのままの自分を理解する(普段しない表情を作って観察するとより効果的)
- 映画、ドラマ、漫画の登場人物に自分を重ね合わせて、脳で「イメージ」する
記憶系
[役割]
脳のなかで有名な部位「海馬」が関係する脳番地です。海馬は脳の中心に位置しており、右脳と左脳の両方に作用する重要な部分です。記憶力が無いと感じる人は、この脳番地が弱っている可能性があります。
[簡単トレーニング]
注意点はただ単に記憶しようとしているだけでは、この番地は鍛えられません。思考系と感情系とつながっているところがポイントです。
- 昨日の良かった出来事、悪かった出来事を3つずつ思い出す
- 他人の「いいところ」を3つ思い出す
- 過去の出来事をストーリーに沿って思い出す
以上が脳番地ごとの、簡単脳トレです。自分が弱い番地は、積極的に鍛えるようにして下さい。