脳の中では多くの神経細胞が複雑なネットワークを形成しています。そのネットワークで情報を伝達する「情報伝達物質」の中で、最も重要な物質がアセチルコリンです。そして、その材料となるのがコリンで、記憶力をはじめとする脳機能に密接に関係しています。
脳神経伝達の要 アセチルコリンの元となるコリンとは
コリンは脳の神経伝達物質である”アセチルコリン”の材料になります。アミノ酸から合成される水溶性のビタミンの一種で、主に大豆や卵に多く含まれています。そのためバランスの良い食生活を心がけていれば、基本的に不足することはありません。しかし、近年の食生活は良質なたんぱく質の摂取量が少なくなっており、炭水化物中心の食生活の方は、脳内のアセチルコリン濃度が少ない可能性があります。
神経伝達物質の乱れは、脳細胞に影響してしまうので注意が必要です。物覚えが悪くて悩んでいる人や、脳機能の老化、集中力の低下に困っている方は、食事のバランスを見直すか、サプリメントで足りない栄養素を補うことをお勧めします。
コリンのサプリ的 ☆重要度☆
コリンは良質なたんぱく質の摂取を心がけていれば、通常の食生活で不足することは考えられませんが、脳の神経伝達物質に関係する重要な物質のため、念のためサプリメントでも摂っておいた方が確実です。特にコリンは水溶性ビタミンの一種のため、長期間体内に留めておくことができません。こまめに摂取して、脳内のアセチルコリン濃度を常に高い状態にしておくことが脳機能を高めるうえで重要です。
仮にコリンを摂取しすぎてしまった場合でも、大きな副作用は報告されておらず、安全性が高い栄養素の一つです。そして水溶性ビタミンのため、余分に摂取した分は体外に排出されます。
またコリンは、ピラセタムやアニラセタムといった、“ピラセタム系”と呼ばれるスマートドラッグを服用する際には欠かせません。ピラセタム系のスマートドラッグは短期記憶形成を促す一方で、大量のアセチルコリンを消費します。ピラセタム系のスマートドラッグの服用を考えている方は、コリンが欠乏しないように、コリンをサプリメントで摂取することが重要になります。
コリン サプリメント選びのポイント
コリンのサプリメントと一言にいっても、”コリン”という名称で販売されているサプリメントは日本国内にはありません。代わりに”レシチン”でしたら、手軽に手に入るサプリメントです。(※日本でいう”レシチン”は、他のリン脂質を含めた総称を指しており、少しややこしいですが…。)
ちなみに、コリンとレシチンの関係は下図のようになっています。
つまりコリン単体を集中して摂取したい方は、海外からコリンのサプリメントを購入する必要があります。一方でレシチン(ホスファチジルコリン)で、他のリン脂質も摂取したい方はレシチンで問題ありません。また名前が似ておりますが、ホスファチジル”コリン”はホスファチジル”セリン”とは別の栄養素ですので注意しましょう。
おすすめサプリ
Now Foods, Choline & Inositol(コリン&イノシントール)
500 mg, 100カプセル
アメリカの大手サプリメーカーであるNow Foods社のサプリメントで、相乗効果のあるイノシントールと組み合わせたサプリメントです。値段もお手頃で使い勝手の良いサプリメントですので、お気軽に試してみては如何でしょうか。サプリメント販売サイトのレビューをみると、ピラセタム系のスマートドラッグを飲むために購入している方が多い印象です。